塗装職人が教える！外壁を汚れにくくする3つの対策

私の立場で言うのも何ですが・・・塗装工事は安い工事ではありません。
ですので、一度塗装工事をしたら、なるべく長く美しく保っていて欲しいと願わずにはいられません。
そこでもう一度おさらいをしておきますが、塗装工事の目的は、家を保護し、美しく保ち、目的と要望に応じた特殊機能を付加するという大きな3つの目的があります。

どんな塗料を選ぶかで、塗膜の寿命は決まってきますし、寿命の長さと価格はだいたい比例しているのが現状です。
しかし、どんな良い塗料（塗膜）を使っても、外壁が汚れてしまうと家は古く見えてしまいます。
塗膜の寿命が来るまでに、外壁をなるべく美しい状態に保っておく為には壁を濡らさない事ですが、それは難しい事ですので、外壁を汚れにくくする3つの対策をお伝えしていけたらと思います。

外壁の汚れやすい場所と原因を知る

まずは外壁の汚れやすい場所と原因を知っておきましょう。

窓枠等の出張った場所の下の雨だれ（埃、排気ガスなどのスス）

埃、排気ガスなどのススが家の出張った部分に蓄積された後に、雨が降ると汚れた水が壁を伝わって流れていきます。
これは雨だれとか雨筋と呼ばれますが、外壁を汚く見せてしまう大きな原因の1つでもあります。

壁のカビ、コケ

コケやカビは胞子、湿気（水）、土（養分）の条件が揃うとあっという間に発生していきます。
日光が当たりにくい場所や湿気が多い場所は特に生えやすいです。

換気扇排気口の油汚れやヤニ

フィルターでは除去出来なかった油汚れなどが、付着しやすいです。
又、換気扇の下でタバコを吸っているとヤニ汚れが付着する事もあります。

屋根や外壁に落とされた鳥の糞等

鳥の糞は、屋根、外構、ベランダ、手すり、車等、場所を選ばずに降ってきます。
鳥の糞はウィルスを運んでくるだけでなく、強い酸性の固形尿も混じっていますので、放置していると塗膜を溶かしてしまいます。

もらいサビ

金属面はサビが発生してきます。このメカニズムを書き出すと止まらないので、ここではやめておきますが、鉄部分はサビが発生してしまうと、見た目が悪くなるだけではなく、そのものの強度が下がってしまいます。
そして、そのサビが外壁に接触している部分に付着し始めると外壁は汚れてきます。

汚れに対する対策

お掃除で出来る事はしておいた方が良いので、参考までにこちら塗装職人が教える！家を美しく保つ為に大掃除で気をつける6つの事をご確認頂けたらと思います。

しかし、ホコリ等は日々蓄積されていきますので、毎日外の窓枠をお掃除するのは大変ですよね。
塗料が塗ってある外壁等に関しては、毎日ゴシゴシと洗ってしまうと、かえって塗膜の寿命を縮めてしまい、外壁が汚れる前に劣化が始まってしまいます。
そこで、毎日ゴシゴシと洗わなくても汚れにくくする対策をお伝えしていこうと思います。

雨だれ対策（窓枠のサッシ周り等）

外で出っ張っているものと言えば窓枠ですが、サビにくい素材が使われておりますが、雨だれだけはどうしても発生してしまいます。
そこで雨だれが壁をつたって落ちないようにする為の突起状の雨筋ストッパーというグッズがあります。
DIYで取り付け出来そうな工事ですが、壁に直接打ち込む必要がありますし、出来れば塗装工事の後に知識のある施工業者に取り付けてもらう事をオススメします。又、塗装工事直後でしたら、足場もあるので、高い場所でも安全に取り付けする事が出来ます。

コケやカビ対策

コケやカビは、上記に記載したように胞子、湿気（水）、土（養分）の条件が揃うとあっという間に生えてしまいますが、生えにくい塗料を上げるのであればツヤ有り塗料です。
ツヤ有り塗料は、表面はツルッとしているので水はけがとても良いのです。
反対にツヤ無し塗料だと、表面がザラっとしているので、水はけが悪くなってしまいます。
※ツヤが最初から無い塗料やツヤの度合いを選択出来る塗料等がありますので塗料に迷ったらご相談ください。

汚れにくい塗料を選ぶ

そもそも汚れにくい塗料があれば、次の塗装工事までの間は美しさを保つ事が出来ます。
これは塗装工事の目的の1つでもある塗料の機能の部分です。
今は本当に色んな種類の塗料が販売されていますが、特に塗料の機能は進化しています。
代表的な塗料をご紹介しておきたいと思います。

■低汚染性塗料
塗膜表層コーティング技術により塗膜表面の汚れを落とす。
・汚れがつきにくい
・汚れを雨水で洗い流すセルフクリーニング効果

日本塗装名人社（無機UVコート、フッ素UVコート）
アステックペイント（リファインシリーズ）
ロックペイント（ハイパーユメロック）
日本ペイント（ニッペ パーフェクトシリーズ）

ちなみに、私の地元である熊本では、阿蘇山が噴火すると火山灰が降ってきます。
火山灰は物を燃やした時に出る灰とは違いザラザラとしており、雨等で濡れると水分を吸って泥状になり重みも増してしまいます。
そんな火山灰が外壁を汚す原因になっていますので、この低汚染性塗料が人気です。

さいごに

次の塗り替えの時期が来るまでに、美しさを保つ事は気持ちよく住んでいく為にも大事な事だと思います。
塗装業者に見積もりを依頼する時に、「なるべく長く美しい状態を保ちたい」と声をかけて頂ければ、現状の状況に合った塗料を提案致します。
又、提案の内容（塗料）に不安がある時は、お気軽にご相談ください。

しかし、忘れないで頂きたい事は塗膜には寿命がありますので、一生綺麗で塗り替え不要の塗料はまだありません。